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せいざ

星座

有島 武郎

1922(大正11)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页

青空文庫

星野の奴がたくらみやがったことだ」

「おいガンベ、そんなに泣き泣き物をいったって貴様のいうことはよく分らんよ。今日はこれだけにして酔っていない時にあとを聞こうじゃないか」

それが石岡の声らしかった。

「ばかいえ貴様、そうきゅうにわかってたまるものか。飲んだくれ本性たがわずということを知らんな。……婆や、酒はどうした、酒は……。けれどもだ……貴様のけれどもだ、おい西山……ふむ、西山はもういねえのか。とにかくけれどもだ、貴様たちは俺が罪人なることを悲しんでいないと思うと間違ってるぞ。……はははそんなことはどうでもいい。それは第一貴様たちの知ったこっちゃないや、なあ。……とにかく……皆んな貴様たちはおぬいさんを知ってるな。けれども、貴様たちは一人だって、どれほどあの娘が天使であるかってことは知るまい。俺は今日それを知ったんだ。この発見のお蔭で俺はこのとおり酔った。わかるか」

「わからないな」

それは人見だった。申し合わせたように二三人が笑った。

「ははは……(彼はやたらに涙を拭った)俺にもわからんよ。……園、貴様はおぬいさんに惚れてるんだろう」

園はほほえみながら静かに頭をふった。