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せいざ

星座

有島 武郎

1922(大正11)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 页

青空文庫

……たとえ俺がだめだといったところが、貴様の方で……まあ坐れ、坐ってくれ。……一人でも減ると俺はおもしろくないんだ……坐れえおい。俺が命令するぞ」

婆やが何かいいながらチャブ台を引いた。壁ぎわに行ってばらばらにそれに倚りかかっている五人が、朦朧と渡瀬の眼に映った。ただ何んということもなく涙が湧いてきた。彼はばかばかしくなって大声を揚げて笑った。

「園君じゃねえ、園はいるか園は。それか。君……君はじゃねえ貴様はおぬいさんに惚れているだろう。白状しろ。うむ俺は惚れてる。悲しいかな惚れている。悲しいかなだ。真に悲しいかなだ。俺は罪人だからなあ。悔い改めよ、その人は天国に入るべければなり……へへ、悔い改めら、ら、られるような罪人なら、俺は初めから罪なんか犯すかい。わたくしは罪人でございます。へえ悔い改めました。へえ天国に入れてもらいます……ばか……おやじが博奕打の酒喰らいで、お袋の腹の中が梅毒腐れで……俺の眼を見てくれ……沢庵と味噌汁だけで育ち上った人間……が僣越ならけだものでもいい。追従にいってるんでねえぞ。俺は今日け――だ――も――のということがはっきり分ったんだから。