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はるはよみがえる

春はよみがえる

小川 未明

「小学六年生 3巻11号」1951(昭和26)年1月新年特別号

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,577 字 · 12 页

青空文庫

「おもしろいでしょうね。」と、わざとらしく、酒屋の主人は、あいづちを打ちました。

「なによりも、殺生とかけごとが、大好きだなんて、困った性分さ。」と、青服は、自分をあざけりながら、他人のいやがることを好むのが、近代的と思いこみ、かえって誇りとするらしく見えました。

「どれ、見せてください。あんたの鉄砲を。」

「おれんでない、家主のだよ。ただ打つのがおもしろいので、食べやしないから、みんな鳥は借り賃にやってしまうのさ。なんで、あのけちんぼが、ただで、銃なんか貸すもんか。」

「じゃ、鳥は、みんな家主さんに、やるんですね。」

「おとといだか、打ったもずをやると、すずめより、大きいって、喜んだよ。」

正吉が、それを聞いて、この男は、禁鳥でも打つのかと、おどろきました。彼が空気銃を持って歩くかぎり、小鳥たちにも、この町にも、平和はないという気がしました。

うぐいすの声を聞いて、画家をたずねてから、はや、二、三日たちました。いつも朝起きる時分に鳴いたのが、急にその声がしなくなりました。正吉は、なんとなく、不安を感じたのです。学校の休みを待って、心の引かれるまま、うぐいすのきた方角へ出かけてみました。