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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页
五井が、そういった。
「ああ、そうか、で、誰が落とし穴を用意したというの」
「ぼくらの敵だよ」
「時計屋敷の幽霊のことをいっているの」
「幽霊だか何だか知らないけど、とにかく時計屋敷に住んでいる怪しい奴が、ぼくたちの敵さ」
幽霊をはじめから信じない常識家の五井がそういった。
「しようがないね、その敵のため、ぼくたちははじめから捕虜になってしまって……おや、へんだね、足許がゆらいでいるじゃないか」
「あっ、動いている。地震らしい」
「地震じゃないだろう。ぼくたちは、なんか動くものの上に乗っているんだ」
「あ、そうか、どこかへはこばれていくんだな」
その先は、どこへ? 四少年は、たがいにしっかり抱きあって自分たちの運命を待っていた。
かびくさい室
その動くものは、たしかに大きな動力で動いているらしかった。
ごっとんごっとんと、重いひびきが地底からひびいてくる。
そのうちに、足の下が急に傾いた。ざらざらと土砂が一方へ走る。
「しっかり、気をつけろ」
と、五井が叫んだが、そのときには、足の下は急角度に傾き、四少年はずるずると滑ってからだの中心を失った。
「あッ、落ちる」