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とけいやしきのひみつ

時計屋敷の秘密

海野 十三

「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页

青空文庫

やがて五井が、階段を中二階までのぼり切った。そのとき、しんがり四本が、階段の第一段に足をかけた。

この階段は、まず異状がなかった。

次は、中二階から二階へあがる階段だ。これは今までの半分位の短い階段だった。先頭を五井がのぼる。

がたん。

大きな音がして、「あっ」と五井の叫び、五井の身体は、階段の中ほどに、とつぜん開いた穴の中へもんどりうって消えた。

「あっ、しまった」

六条が前にのめる。

二宮が、うわッといって悲鳴をあげる。

「うぬッ」と、しんがり四本が顔を真赤にして、そこへ伏せる。「みんな、その位置を動くな」

幸いにも、五井は救いだされた。他の三名が、早く身体を伏せたからよかったのだ。

「ああ、ひやっとした。いったいこの屋敷には、落とし穴がいくらあるんだろう」

五井は、落し穴からひっぱり上げられると、にこにこ笑いながらいった。彼は、ようやくこの種の冒険になれて、もう大しておどろかなくなったらしい。

他の少年にも、危険とたたかう自信ができたようだ。このようなやり方で、少年たちは階段を一つ一つ征服していった。

階段は上になるほど狭くなり、そして粗末になった。