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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页
あっという間に、四少年は、傾いた板の間からすべり落ちて、下へ墜落していった。さっきはちゃんとしていた階段が方々ではずれていたので、少年たちはどこまでも下へ落ちていった。
地震が奇縁
そのままでは、少年たちは下で頭をぶっつけて死ぬか重傷を負うか、どっちかであったろう。
だが、幸運というのか何というか、途中で、階段が裏がえしになって、斜めに空間にひっかかっていたのにぶつかった。そしてそれにぶつかったはずみに、すぐ前の壁の穴の中へずるずると滑りこんだ。
「あッ」
身体の平衡をとりもどすひまもない。一同は、はずみのついたボールのように、もんどりうってくらがりの闇の中へ叩きつけられたが、幸いにもそこは身体にやわらかくあたった。
(畳がしいてあるな)
と気がついた。そしてぷーんと、かびくさい匂いが鼻をうった。
やっと気が落ちついて、口がきけるようになってみると、懐中電灯は四本のものの外、全部がなくなっていた。さっき落ちるとき手から放したのであろう。
そのただ一つの電灯で、四本はみんなの顔をてらした。
五井も六条も、顔にすり傷をこしらえ、土にまみれたまっくろな顔をしていたが、まず無事だった。