轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とけいやしきのひみつ

時計屋敷の秘密

海野 十三

「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页

青空文庫

つまり土壁に、段をつけるのである。そしてその段をのぼって、ガラス天井へ近づこうという考えであった。これはうまい考えであるように見えて、じつはなかなか困難なことであった。せっかく一段を掘り、次にその上の第二段目を掘っていると、水かさがましてきて、はじめの第一段をひたしてしまう。

これは残念と、八木君はそれへ足をかけようとしたが、水がはねて段はずるずるにぬれ、八木君がそれへ上ろうとして力をいれると、とたんに足がすべって、どぶんとその身は濁水の中に落ちてしまった。そして彼は、いやというほど泥水をのまされた。

時間は迫る。

「だんだん苦しくなるぞ、それよりか、泥水の中にすっぽりつかって、早く溺死してしまった方がどんなに楽かしれないよ。君、早く死んだがいいよ」

死神の声であろう。そのことばは、早く楽になるから溺死しなさいと誘惑している。

「いやだ、死ぬまでに、まだまだやってみることがあるんだ。お気の毒さまねえ、死神君」

八木君は元気をふるい起して、もう一度あらためて、土の壁に段をきりこんでいった。

やがてそれはできた、彼は、こんどは失敗しないで、段の上へよじのぼることができた。