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あんごうのやくわり

暗号の役割

海野 十三

烏啼天駆シリーズ・4

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,409 字 · 23 页

青空文庫

「あの袋猫々は、暗号文をちゃんと解いたようですね」

「原の町駅行きの切符を買ったところを見ると、暗号文が解けたんだな、そうだろう、探偵商売だから、それ位のことはやれるさ」

「あの暗号文をこしらえた須田は、それを袋探偵が解く力があるだろうかと心配していたですよ」

「須田よりは、猫々の方がちっと上だよ」

「しかし袋猫々も、まさか自分が旅行に出た留守に、自分の巣を荒されるとは気がついていないでしょうね」

「汽車に乗ってごっとんごっとんと東京を離れていったところをみると、気がついていないようだ」

「あとでおどろくでしょうな。折角手に入れた烏啼の重要書類が、自分の留守になくなっていたんではね」

「しかし、うまく行きゃいいが……袋猫々の金庫は厳重なことで、玄人の間にゃ有名だからな」

烏啼はいつになく心配顔で元気がない。

しかし自動車が袋邸の近くで停り、さっと下りたときの烏啼は、鬼神もさける体の颯爽たる首領ぶりだった。

「中へ踏み込む人員は、おれと碇と、それから豹太、沙朗、八万の五名だ。あとの者は、手筈に従って外に散らばって油断なく見張っていろ」

中へ踏みこむことを指名された部下たちは得意満面、にやりと笑った。