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あさがおにっきのみゆきとよどぎみ
朝顔日記の深雪と淀君
上村 松園
「大毎美術 第三巻第四号」1924(大正13)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,870 字 · 4 页
美人画といって画家が美人を専門に描くようになったのは日本では浮世絵以後のことだろうと思われますが、浮世絵画家のうちで私は春信と長春が好きです。
近頃、しきりに若い人達に流行っている女の絵に対してはどうもわたしには賛成の出来かねる節が沢山あります。女の画を描くといえば必ず美人を描かねばならないとも思いませぬが、すでに芸術であり美術である以上、作られた作品がただ単に醜悪不快の念を観る人に与えるばかりでは、芸術としての価値が減ずるようにさえ思われます。したがってここに人々に依って異なる芸術観も出るわけでありましょうけれども、近頃流行っている女の絵を見ますと、毒々しいほどに肥った顔、手足、まるで女の相撲取を見るように不快な感じを与えられるのが沢山ありますが、人々の趣向が美しくなくともせめて不快でない程度に向って欲しいものだと思います。
画家が描こうとする画題を他から限定される性質のものでないことはいうまでもありませぬから、ある場合には乞食を採り入れる必要のあるような構図が出来るかも知れませぬ。たとえばそのような場合にしましても、乞食の醜悪のみを写し出して、観る者に不快の念を与えるような図にしなくとも済まされるはずだと思います。