轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あさかのみやでんかにじしてみなみアルプスのたび
朝香宮殿下に侍して南アルプスの旅
木暮 理太郎
「中学生」1923(大正12)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,765 字 · 26 页
仙丈岳の右には駒ヶ岳の白頭が目に立ち、一段高く北岳、間ノ岳の巨峰を仰ぎ、南には塩見岳が壊裂した岩のドームを押立てている。脚の下を覗いて見ると、其処は偃松に埋められた何十丈という高い絶壁であった。
これから執拗な偃松の海に印せられた一路の波痕とも見られる人の足跡を伝って、四時間余りでやっと夫を泳ぎ抜けた。続いて前仙丈のガラガラした岩の急斜面を登り、途中で一息入れていると、上から十三、四名の中学生が職員に引率されて下りて来るのに逢った。殿下は職員を召されて謁見をたまわり、種々御下問があった。そして生徒達を近くお呼びになって、快くカメラの包囲をお受けになり、御微笑をうかべさせながら「大切にし給えよ」と御戯言を仰せられた。学生の一行は殿下の万歳を三唱してお別れする。
仙丈岳の頂上に着いたのは、午後三時頃であったろう。ここで殿下を御中に一同記念の撮影をして、頂戴した羊羹の一切れに舌鼓を打ち、二個のカールとカール状の窪地に四方から抉り取られた細い国境の山稜を、尚も北東に沿うて進み、二時間半の後には今宵の野営地と定められた北沢に下ることを得た。
今朝野呂川を下って先着した人夫は、不潔な北沢の小屋跡より、更に上流の広い沙地に天幕を張って、野営の支度を整えていた。