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ほんいんぼう・ごせいげんじゅうばんごかんせんき
本因坊・呉清源十番碁観戦記
「読売新聞 第二五六九二号、第二五六九三号」1948(昭和23)年7月8日、7月8日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,884 字 · 6 页
僕らのまつ部屋へ現れるや、ボク、おフロへ、はいりたい。すぐ、フロへはいる。
そこで、僕及び新聞社の人々、別室へ去る。両棋士にゆっくり眠ってもらうため也。
翌朝、八時に、両棋士を起す。呉氏、食卓へ現れるや、食膳を一目みて、オミソ汁、と言う。オミソ汁が呉氏のところになかったのである。持参の卵ひとつ、リンゴひとつ、とりだして、たべる。
世紀の対局は、閑静な庭の緑につゝまれた二階である。
実質的に、名人戦である。呉氏が勝つや、囲碁第一人者は、中国へうつる。これが日本の棋界は怖くて、名人戦がやりにくかったのかも知れないが、そんなに狭いケツの穴ではいけない。
各種の技芸に日本が世界の選手権をめざす今日、他国人に選手権をとられることを怖れてはならぬ。むしろ、それが国技の世界的進出ではないか。この対局を受諾した本因坊は、偉い。彼は実に美しく澄んだ目をしている。
本因坊も、呉氏も、羽織、はかまに改めて、対局場へ現れる。
試合開始、サンマータイム、九時十七分。そのとき呉氏、記録係りに向い、対局の時計だけ、今を九時にしましょう、という。そうする。
盤に向って、呉八段石を握る。