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ほんちょうへんたいそうれいし
本朝変態葬礼史
中山 太郎
「犯罪科学 増刊号 異状風俗資料研究号」1931(昭和6)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,960 字 · 24 页
(中略)奥地タライカヲリカ辺にては屍骸を三年の間乾し曝し置くなり。その棺を山へ舁きあげ半は土中へ埋め半は上より出す。棺の上には内地の神祠の勝男木の如きものを上げ置くなり云々。
さらに蝦夷風俗彙纂に由ると、この屍体を乾すために、一名の婦人が附き添い絶えず水を懸けると云うことである。そしてこれらの記事を読んで、前に載せた七日晒しや圧三昧の習俗を稽えて見ると、ともにアイヌの残したものが簡略化されたことが知られるのである。しかるにこうした事は他にも類例がある。
福島県平町附近の村々では、昔は妊婦が難産のために死ぬと、妊婦の腹を割き胎児を引き出して妊婦に抱かせ(愛媛県では妊婦と胎児とを背中合せにした)それを一つ棺に入れて葬ったものである。そしてこの惨たらしい習俗はアイヌのウフイが残存したものである。アイヌでは難産で死ぬと墓地において、老婆が鎌を以て妊婦の腹を切開して葬ることが、アイヌの足跡と云う書に詳記してある。福島県のそれと全く同じものである。なお同県の安達ヶ原の故事として、老婆が妊婦の腹から胎児を取り出して食うと云うのも、要するにこの習俗が伝説化されたものである。