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とうあのへいわをろんず
東亜の平和を論ず
大隈 重信
「外交時報 第八四号」1904(明治37)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,708 字 · 32 页
その時私は獅子身中の虫ということをいうた。獅子というものは実に猛獣で百獣の王とも言う。一度咆哮すると百獣皆懼れるという。それがどうして仆れるかというと体に虫が出来る。するとその猛獣が自然に仆れる。これが獅子身中の虫というのである。支那という世界無比の大帝国、四億万という大民族はなかなか亡びるものではない。那破翁さえ将来世界は支那が支配するか知らんと心配をしたくらいの国である。そういう国が容易に亡びるものではない。如何なる強国もこれを亡ぼすことが出来るものでない。ところが支那が地を失うこと日に千里、こういう訳だ。僅かに一世紀間に地を失うこと千里。かつて二百年前に彼得大帝という露西亜の豪傑、侵略家がついに支那の北部の方を侵略しようとした。すると支那の康熙帝は直ぐ兵を送ってこれを追払った。露西亜は散々に失敗をした、閉口した。かの「ネルチンスク」の条約は露西亜にとっては非常に屈辱なものである。支那にとっては最も名誉なる条約で、彼得大帝は支那の国民にとって名誉あるその条約を、自分の恥を忍んで結ぶに至った。その時侵略を免れたという国が、その康熙帝の子孫に至ってどういう事になったというと、百年の後には「アムール」