轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しょうえんじょしのおもいで

松園女史の思い出

金子 薫園

「京都」1950(昭和25)年9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,745 字 · 4 页

青空文庫

「蓮月尼の『岡崎の里のねざめにきこゆなり北白川の山ほととぎす』が私は好きで、その起き臥した跡を尋ねたいと思いながら、今度は果しませんでした。私は尼の手づくりの花瓶を持っていますが、それには歌も絵も得意のなりわいの麗筆で書いてあります。手づくりの陶器を生業にしていたことは、『手すさびのはかなきものを持出てうるまの市に立つぞわびしき』の歌で知られますが、その人と為りをなつかしんで居ります私はその庵あとでもたずねて、過ぎし日を偲びたいと思っているのです。昔、中学生の時分に、父に伴れられて西加茂の神光院をおとずれた私は、蓮月の事など、てんで頭になかったものですから、そこに晩年を送られたという時の事を聞こうともしなかったのです。知らないということは仕方のないものです。あの「うるまの市」の歌は、尼の生活のまざまざと滲み出ているもので、ほそぼそと哀愁の籠っているのに牽きつけられます」

女史は耳を傾けて聴いて居られた。だんだん親しみが出て来て、初めのうちに出されなかった京なまりがほぐれて出るようになり冷たいばかりの人でないことが分ってきた。

冷たい感じを受けるのは、女史の人柄の水仙の花のような高い香気からで、それが制作の上に反映されたわけであることを知ると共に、うら若い時からのかずかずの芸術上、人生上の労苦を思わずにい