轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うめづしえんおうでん
梅津只円翁伝
杉山 萠円
「福岡日日新聞」1934(昭和9)年4月14日~5月31日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,582 字 · 130 页
という翁の言葉を真正面から信じて、糞馬力と糞勉強を一貫して大成したものだそうである。
福岡県庁の低い吏員をつとめながら毎朝、蝋燭を一挺持って中庄の翁の舞台に来て、夜の明ける迄謡う。それから出勤するという熱心振りで、間拍子なぞも出来るどころか、あんまりキチンとして囃子方に附合い過ぎるので翁から叱られる位であったという。
◇
又斎田惟成氏は比較的後進だったので特にこの方面の研究を急いだらしく、出勤の途中でも、銭湯の中でも妙な放神状態で両手を動かして地拍子の取り通しであった。氏の居住地薬院附近では、これが名物だったので、道で遊んでいる子供等までも氏が来ると、
「斎田さん斎田さん」
と云って両手を鰭のように動かしながら反り身になって氏の背後から跟いて行って、氏が振返ると逃げて来た。現教授佐藤文次郎君などもその真似上手の一人であったという。
そんな次第であったから翁の門下の高足の人は、決して翁の歿後に福岡地方で流行したような我武者羅謡ではなかった。むしろ拍子の当りが確か過ぎるのを只圓翁が嫌って、今一層向上させるべく鞭撻していたのを後人が、自分の力の足りなさから、自己流に解釈して、芸道を堕落させたものに相違ないのである。