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たのしいソヴェトのこども
楽しいソヴェトの子供
宮本 百合子
「女人芸術」1931(昭和6)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,595 字 · 10 页
小学校に入れることで、一安心したのはミーチャの親たちばかりじゃない。これまでソヴェトの小学校は無料のところもあったが有料のところもあった。それも、今度五ヵ年計画によって、すっかり国庫負担で全ソヴェト学齢児童就学ということになった。
ミーチャはまだ小さい。こないだ幼稚園で先生のリーダ・ボルトニコ※(濁点付き片仮名「ワ」、1-7-82)が大きくなったら何になると訊いた時、すぐ大きな声で、
――僕、飛行機をこしらえる人になるんです。そいで、自分も飛びまアす!
と返事した。ミーチャはその日の夕方家で父さんや母さんと御飯をたべてる最中、思い出してそのことを話し、リーダ・ボルトニコ※(濁点付き片仮名「ワ」、1-7-82)に云ったよりもっと威勢よく、
――僕、ね、そいでね、飛ぶんだよ! ね、母さん。飛ぶの! こんなに、ホーラ!
握ったスープ匙を頭の上でふりまわして、叱られた。叱りながら、父さんも、母さんも、ミーチャがそういう人間になれることを疑わないようだった。
――見な! これが本当のプロレタリアート文化の進歩ってもんだ。俺は職工だ。工場でアルミニュームの板をこねまわしているが、自分で飛行機を組立てようとは思ったこともねえ。