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たのしいソヴェトのこども
楽しいソヴェトの子供
宮本 百合子
「女人芸術」1931(昭和6)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,595 字 · 10 页
ところがどうだ! チビ奴! 俺をもう追い越している。飛行機を造る力を自分の中に感じてやがる。
父さんは、無骨な手でミーチャの頭を撫で、
――ふんばって、せっせと親爺を追いぬけよ。いいか! そして、俺ら世界のプロレタリアート、ソヴェトの文化を、持ち上げるんだ。アメリカを追いぬくのは俺たちじゃない。こういうチビ共だ!
と云った。父さんの声に深い感動がこもっていて、ミーチャは重い掌の下で嬉しいような、おっかないような気になった。
――さ、いいから、おあがり。
母さんは、しずかな声でミーチャにそう云った。そして、
――でも、それはむずかしいことさ、なかなか……
――そう! むずかしいさ。だがその困難を征服するだけの健康と知慧のあるチビ公には何でもない。道は開いている。ソヴェトの小学校、技術学校、もっと上の専門学校が、プロレタリアートの子供にゃ、女の子にでも男の子にでも、まるで無料であいてるのは何故だね? こりゃ、プロレタリアートのチビ共、進め! ってことなんだ。
ところで今朝、ミーチャは茶をのむと急に母さんをせき立てだした。
自分で外套を着て、帽子をかぶって、先へ入口の扉のところへ出て待っている。