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たのしいソヴェトのこども
楽しいソヴェトの子供
宮本 百合子
「女人芸術」1931(昭和6)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,595 字 · 10 页
――ウン。
同志みたいにわかれる。ミーチャは元気な眼つきで、中庭を横切り、むこうの端の建物の翼の戸をあけて内へ入った。その入口と並んで、こっちから、植木鉢が五つ並んだ明るい窓が見えた。ミーチャやその他の多勢の子供が一日暮す幼稚園の窓だ。
ミーチャと別れたお母さんは、急ぎ足で木の門を出たところで、隣りに住んでいるタマーラに会った。タマーラと母さんアンナとは、同じ菓子工場で働いている。二人は並んで、頭をつつんだ肩掛の中から白い息をたてながら並木道を歩いた。
――どう? お前さんの体工合。
ミーチャの母さんがきいた。
――あれらしいわ。
――姙婦健康相談所へ行ったの?
――それで分ったのさ。
――心配することは何にもありゃしない。
――…………。
若いタマーラは黙って肩をもちあげた。
――だってお前さん、丈夫なんだろう?
――そりゃそうよ。
ミーチャの母さんは暫く黙って歩いてたが、やがておだやかな碧い瞳一杯に花の咲いたような微笑をうかべて行った。
――私たち、いわば国家の母さんだからね。子供だって国家の赤坊さ。安心おし。
ミーチャの母さんは、労働婦人は、産前産後四ヵ月の給料つき休暇の貰えること、赤坊の仕度金と九ヵ月の特別哺育費が国庫から支出されること、産院が無料であることなどを、その簡単な言葉の中で、タマーラ