轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
04 第四部
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,078 字 · 285 页
これに対し、里見十左衛門の奔走もあったのだろう、若侍の一部に反対が起こった。
七十郎が国老を問責したのは、なるほど単に席次の問題ではない、一ノ関の専断横暴と、国老が無能であるために、藩政が紊れている。席次のことなどもそういうところに原因があるので、七十郎らを罰するよりも、その根本の改廃こそ先決問題である。まず、一ノ関の専断横暴を、押えなければならない、と云いだし、それが強い勢いで弘がっていった。
これらの経緯は、むろん甲斐にも通じていた。国老側の意向も、その反対の動きも、甲斐には手に取るようにわかった。
――処罰をいそいではならぬ。
甲斐はつよく主張した。江戸でも、両後見を中心に、在府の老臣が幾たびか評議をひらいた。七十郎らを罰すべし、という空気は圧倒的で、それは兵部宗勝の思う壺であったが、甲斐だけはそれを慰撫し、押えることに努めた。
――処罰をいそぐと騒ぎが大きくなる。
甲斐はそう云った。国老側の意向に反対する者たちは、問題を政治にもってゆこうとしている。なかんずく両後見、特に一ノ関を弾劾する勢いが強く、このまま押し切れば、家中は二派に対立して、いかなる騒動に発展するかも計り難い。