轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
05 第五部
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 页
――」
朝倉先生の言葉の調子には、これまでになく力がこもっていた。次郎は、思わずまた荒田老の顔をのぞいた。荒田老は、しかし、その時には、もういつもの動かない木像の姿にかえっていた。その代わりに、鈴田がいかにも自分の気持ちをおさえかねたかのように、唇をかみ、眼をいからしていた。
「そこで――」
と、朝倉先生は、調子をやわらげて、
「これからおたがいの生活設計について具体的に話しあいたいと思うが、それには、まず第一におたがいに漂流して来たこの島がどういうところであるか、つまり、おたがいは今どういう環境におかれているのか、それをみんながはっきり知っておく必要がある。客観的な現実、それを知らないでは、理想も信念もどうにもなるものではないのだから。……で、私は懇談に先だって、まず諸君にこの建物の内外をくまなく探検しておいてもらいたいと思っている。あらましのことはもうわかっているかもしれない。しかし、これからの生活にどこをどう利用し、何をどう使ったらいいか、そういう点まで注意してこまかに見てまわった人は、おそらくまだないだろうと思う。遠慮はいらない。森や畑はむろんのこと、物置でも、戸棚でも、押し入れでも、本箱でも、どしどし探検してもらいたい。