轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うたのうるおい

歌の潤い

伊藤 左千夫

「アララギ 第六卷第三號」アララギ発行所、1913(大正2)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,665 字 · 10 页

青空文庫

例の如く題目も思想も取立てていう程の事ではなくていて、しかも無限の味いを持ってるのは、一首の声調に作者の淋しい内的情態が、さながらに表現されて居るからである。結句の『枯葉落つる日』この一句これを取離して見れば、ただそれだけのことで、何等作者の独創があるのでなく、唯一句の記号に過ぎない詞であるが、この歌の結句にこの一句を置いて見ると、この平凡な一句が一首全体の上に、非常に淋しい影響と共鳴とを起すのである。この平凡な一句がここに置かれて生きて来るのみでなく、一首全体に統一を促し生命を起すの働きが出て来たのである。作歌に従うものは、この不可説なる、融合統一力の依て起る神意を考うべきである。こういう歌を見て「なんだただそれだけの事じゃないか」などと軽く読過して終うような人には、到底共に詩の生命を語ることは出来ない。

葉の落ちて只黒き幹のぬくぬくとあまた立ちならぶ様のさびしも

初句『葉の落ちて』の極めて自然な詞つきに、はや淋しい声を感ぜられる。第四句第五句なども「あまた立ちたり見るにさびしも」と明晰に云って終えば口調は強くなるけれども、淋しい沈んだ気持は現われない。