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かしゅう『しゅうだんこうしん』によせて

歌集『集団行進』に寄せて

宮本 百合子

「短歌評論」 1936(昭和11)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,455 字 · 5 页

青空文庫

(岡村浄一郎)、「工場の歌」(平野大)、「脂」(速水惣一郎)、「給仕修業」(烏三平)などのように、今日の日本に生きる勤労大衆の生活の歴史的な一つの道行き、過程をうたったものが、一つ二つでなくあることです。私は昔万葉集や金槐集(実朝の歌集)などを読み、なかなか感心したものです。きょう、短歌を作ろうとする人々にとって、これらの古典はやはり読まれ、研究されるべきものでしょうが、それは全くこの『集団行進』に集まっているような作者たちが生活そのものによって現代の社会に要求し示している新しい素質・主題を益々つよく冴えたものとして活かすためにだけ、学び、研究されるべきでしょう。芸術的な表現の力が、まだどの作にも十分具わっているとは云えないという序文の言葉は正しいと思いますが、私が短歌の素人として読んだ感じでは、例えば、

よろめけば

よろめく方から打って来る拳に

歯をくいしばって体勢を整える。

×

なぐらせるという反抗の仕方だけ残され

憎しみのかたまりとなって

うんとなぐらせる。

×

手ばなしでなぐられる

金しばりの中で

頑固に自らを試煉する。(以上、烏三平)

これらの作品は、非常に複雑で熱い意欲をたくみに圧縮しつつ心を打つ力をもっていると思われますし、別な例では、