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かしゅう『しゅうだんこうしん』によせて
歌集『集団行進』に寄せて
宮本 百合子
「短歌評論」 1936(昭和11)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,455 字 · 5 页
満州問題がおこって以来、婦人雑誌を読む女のひとの間に和歌と習字との流行が擡頭している事実を考え、またそのことと、今度平生文相が行おうとしている学制改革案で男の学生には「労働証」女の学生には「家政証」を制定することとを思いあわせ、私は自分もひとりの女として胸におさめ切れぬ何ものかを感じるのです。
人間というものは自身の生きている現実からのがれ切れるものではありません。のがれ切れない以上、その現実に腰を据えてそれととり組み、そこに手がかりを見出し、ほんのちょっとでもこの現実をましな方に向けるような意志をもって生きて行く、それが生であり『集団行進』が人間のそのような喜び、悲しみ、憤りを盛っているからこそ、既成の所謂歌壇に対し特異な価値を主張し得るのであると信じます。〔一九三六年七月〕