轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しょうごのさつじん
正午の殺人
「小説新潮 第七巻第一〇号」1953(昭和28)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,888 字 · 28 页
神田通いの人種の中にあんな可愛い子がいるのかねえ。まさにミス・ニッポンの貫禄じゃないか。典型的な美貌とはまさに彼女じゃないか。整いすぎて、すこし冷いかな。第一、オレに素ッ気なくするようじゃ、目が低いな」
神田通いの婦人ジャーナリストの中に安川久子という美貌の雑誌記者がいることは記者仲間に知られていたが、あるいはその人かも知れない。流行作家といっても、神田兵太郎は著書が何十万と売れる流行作家で、毎月たくさん書きまくる流行作家ではなかった。したがって、彼に原稿を書かせるのは容易じゃないが、ちかごろ婦人雑誌の一ツが彼の原稿を毎月欠かさず載せている。それは安川久子という美貌の婦人記者を差し向けてからの話と伝えられている。
「神田兵太郎もワケの分らない先生さ。性的不能者という話もあれば、男色という話もある。とたんに美人記者が成功するんだから、何が何だか分りやしねえや」
神田邸のベルを鳴らすと、毛利アケミさんが現れて、大広間へ通してくれた。この洋館はバカバカしいほど凝った大広間が一ツあって、それに小部屋がいくつか附属しているだけである。当年六十歳の神田兵太郎は数年来唐手に凝っている。