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しょうがつとソヴェトきんろうふじん

正月とソヴェト勤労婦人

宮本 百合子

「戦旗」1931(昭和6)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,193 字 · 9 页

青空文庫

闘争の新年度第一日ってもんだ。

――ソヴェト同盟に正月ってもののないの分ったろ。

――分った。従って女子供が特別なことをやるってこともないわけさね。

――女だって、生産単位としてソヴェトでは男とすっかり同じだ。同じ労働は同じ賃銀を払われる。五日週間で働いてる。元旦だって平日だ。番に当った者だけが休む。特別なことは何にもない。ただ、大晦日の晩、労働者クラブで何か催しがある。芝居とか、キノとか、音楽とか、一家揃ってそこへ行って、暖い、明るい、楽しい年越しするわけさ。

――ねえ、オイ! ソヴェトの労働者っていうと、その話だけでも、どうも偉くがっしりしてやがるみたいだが、そいでもいつかヘベレケになることもあるのか?

――モスクワへ行ったばかりの時分は、よくウォツカの瓶握ってひょろついてる奴を見たもんだ。焼酎みたいなものなんだから、迚もまわるんだ。道ばたへ、襤褸みたいにぶっ倒れてるのも見た。革命前までロシアの労働者の飲みようと来たら底なしで、寒ぢゅう襯衣まで飲んで凍え死ぬもんがよくあった。立ち上ることを恐れた。そこで酒で麻痺させたんだ。おまけにツァーはそのウォツカの税でうんと儲けて居た。