轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さいげつ

歳月

宮本 百合子

「お茶の水」第60号、お茶の水女子高等師範学校附属高等女学校校友会誌、1948(昭和23)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,584 字 · 6 页

青空文庫

常識というものは、いつでもそれぞれの社会の歴史が可能としている進歩の最低限を示すとともに、それぞれの社会のもっている保守の最頂点を示しているものである。そういう常識の本質をつかんで、人間の幸福に向って、絶えず常識の能動な面を刺戟してゆくことこそ、人間らしさではないだろうか。女性が常識のなかで実利的にばかりなってしまったり、固着した低俗に陥ってしまったりしては悲しいと思う。因幡の兎のようにされたわたしの同級の可哀そうな插話にしろ、もしあの時代の令嬢たちが、卒業すればあとにはお嫁に行くことしか目標がないような教育をうけず、家庭の空気がそういう風でなかったら、どうしてはっきりわかるほどの薄化粧などして学校へ来たりするだろう。青春の美しさは、それなりの麗わしさとして感ぜられず、娘盛り、お嫁入りと常識のなかで結びつけられていたからこそ、白粉が匂うことにもなったのだと思う。女性の一生の見かたのなかに日頃からそういうモメントがふくまれていることには寸毫も思いめぐらさないで、全級の前での嘲りをこめた叱責と水で洗いおとさせるという処置しかできなかったのも、おそらくはその時分の正しさについての常識の粗野さであったろう。