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ひかくしんわがく
比較神話学
高木 敏雄
在线阅读高木 敏雄《比較神話学(ひかくしんわがく)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,624 字 · 348 页
兼好法師の物語る、仁和寺の児法師の話も亦た、その源は印度にあり。
日耳曼神話学の祖グリムは、独逸国民の有する動物説話を以て、純粋なる国民的産物なりと信じて、独逸太古の森林の空気は、この説話の中にも、流通しつつありと云えり。而も今日の比較説話学者は、寧ろ印度平原の空気の、其中に流通しつつあるを信ぜんと欲す。
仁和寺の児法師の話の、印度に起ることは、法師の一語既に之を示す。何故に普通の小児と云わず、武士の子と云わず、農夫の子、商売の子と云わずして、児法師と云うや。日本童話は、「和尚と小僧」と名くる、一個の形式の説話を有す。此の名目の下に物語らるる凡ての説話は、悉くその骨子に於て、同様なり。小僧は何時も賢く、和尚は常に愚に、最後の勝利は必ず常に前者の手に帰す。換言すれば、前者後者を欺くなり。権力なき者、威権ある者を愚にして、自ら利益を奪い取るなり。主従の関係は、大名と家来とに於ても、棟梁と弟子とに於ても、旦那と番頭とに於ても、等しく之を見る可きに、独り和尚と小僧とに関してのみ、此種の説話の物語らるるは、恐らく其故なきに非ざる可し。此点に関して、印度説話に同様の現象あり。