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きしゃははしる
汽車は走る
小川 未明
「日本の子供」1941(昭和16)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,849 字 · 8 页
「私、子供が大好きですし、これから、村に人手が足りなくて、みんなが働くのに困りますから、子供の世話をするものが入り用だと思ったのです。」
「それは感心ですね。このあいだの教員会議のときに、この学校にも託児所を設けたらという、先生がたのご意見が出たのですよ。」
「西村さんは、やさしいから、きっといい保姆さんになれると思いますわ。」
かよ子は、心から、同感したように、いいました。
じっさい、自分たちが、学校を出た後、村のためにつくさなければならぬ仕事が、いろいろあるような気がしました。授業が終わって、校門を出ると、たがいに友だちと別れて、かよ子は、一人さびしい道を歩いていました。
今年は、雪が少なく、暖かな日がつづいたので、田を隔てた、あちらの丘の梅林には、ちらほらと白く咲きかけた花が、清らかな感じを与えました。うぐいすが鳴いています。遠くを見ていると、前の方から、二人の小さい子供が、この道を駈けてきました。一人は姉で、後からつづくのは弟でした。
二人ともひじょうにうれしそうで、姉のほうが、石けりのまねをすると、弟もそのまねをするし、姉が飛び上がって、なわ飛びのまねをすると、幼い弟も、それと同じかっこうをしたのであります。