轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さばくのこと

沙漠の古都

国枝 史郎

「新趣味」博文館 、1923(大正12)年3月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,076 字 · 220 页

青空文庫

「はい逃げ込んで参りました」冷笑しながら土人は云った。

「そしてたった今湖水を指して発足したばかりです」

「湖水というのはどこにある?」

「南方十里の彼方です」

ラシイヌも博士もこれを聞くと顔を見合わせて微笑した。手掛かりを握ったからである。土人を二、三人案内にしてすぐ南方へ足を向けた。途中で一夜、夜を明かし翌日の正午ごろそこへ着いた。湖水は波も平らかに凍りもせずに澄んでいる。岸に一艘の獣皮の船が水に軽々と浮かんでいる。ラシイヌと博士は船へ行って中の様子を調べて見た。鉄の手箱が空のままで船の中に二つ置いてある。そしてその横に手帳がある。表紙に書いてある六個の文字――「備忘録、張教仁」と鮮かに……

マハラヤナ博士は声を立てて備忘録の文章を読んで行った。張という人物のいかなる者かを二人は初めて了解した。湖水の岸の洞穴が開いて流れ込む水に連れられて三人を乗せた獣皮の船が同じく洞穴へ流れ込んだと記してあるあたりの文章は、博士とラシイヌとを驚かせた。二人は手帳から眼を放して湖岸を見廻したほどである。しかしもちろんどの岸にもそんな洞穴は開いていない。備忘録の最後の頁にはこんな意味のことが書いてあった。