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ちゅうもんのおおいりょうりてん

注文の多い料理店

宮沢 賢治

宮沢賢治『注文の多い料理店』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『注文の多い料理店』序、注文の多い料理店、さるのこしかけ、茨海小学校、どんぐりと山猫、狼森と笊森、盗森、烏の北斗七星、月夜のでんしんばしら、水仙月の四日、山男の四月、かしわばやしの夜、鹿踊りのはじまり、雪渡り、気のいい火山弾、土神ときつね、楢ノ木大学士の野宿。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,269 字 · 223 页

青空文庫

右から二ばん目の鹿が、俄かにとびあがって、それからからだを波のようにうねらせながら、みんなの間を縫ってはせまわり、たびたび太陽の方にあたまをさげました。それからじぶんのところに戻るやぴたりととまってうたいました。

「お日さんを

せながさしょえば はんの木も

くだげで光る

鉄のかんがみ。」

はあと嘉十もこっちでその立派な太陽とはんのきを拝みました。右から三ばん目の鹿は首をせわしくあげたり下げたりしてうたいました。

「お日さんは

はんの木の向さ、降りでても

すすぎ、ぎんがぎが

まぶしまんぶし。」

ほんとうにすすきはみんな、まっ白な火のように燃えたのです。

「ぎんがぎがの

すすぎの中さ立ぢあがる

はんの木のすねの

長んがい、かげぼうし。」

五番目の鹿がひくく首を垂れて、もうつぶやくようにうたいだしていました。

「ぎんがぎがの

すすぎの底の日暮れかだ

苔の野はらを

蟻こも行がず。」

このとき鹿はみな首を垂れていましたが、六番目がにわかに首をりんとあげてうたいました。

「ぎんがぎがの

すすぎの底でそっこりと

咲ぐうめばぢの

愛どしおえどし。