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ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
宮沢賢治『注文の多い料理店』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『注文の多い料理店』序、注文の多い料理店、さるのこしかけ、茨海小学校、どんぐりと山猫、狼森と笊森、盗森、烏の北斗七星、月夜のでんしんばしら、水仙月の四日、山男の四月、かしわばやしの夜、鹿踊りのはじまり、雪渡り、気のいい火山弾、土神ときつね、楢ノ木大学士の野宿。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 106,269 字 · 223 页
私はそれについて室を出ました。
「はじめに第一学年をご案内いたします。」
校長さんは「第一教室、第一学年、担任者、武井甲吉」と黒い塗札の下った、ばらの壁で囲まれた室に入りました。私もついて入りました。そこの先生は私のまだあわない方で実にしゃれたなりをして頭の銀毛などもごく高尚なドイツ刈りに白のモオニングを着て教壇に立っていました。もちろん教壇のうしろの茨の壁には黒板もかかり、先生の前にはテーブルがあり、生徒はみなで十五人ばかり、きちんと白い机にこしかけて、講義をきいて居りました。私がすっかり入って立ったとき、先生は教壇を下りて私たちに礼をしました。それから教壇にのぼって云いました。
「麻生農学校の先生です。さあみんな立って。」
生徒の狐たちはみんなぱっと立ちあがりました。
「ご挨拶に麻生農学校の校歌を歌うのです。そら、一、二、三、」先生は手を振りはじめました。生徒たちは高く高く私の学校の校歌を歌いはじめました。私は全くよろよろして泣き出そうとしました。誰だっていきなり茨海狐小学校へ来て自分の学校の校歌を狐の生徒にうたわれて泣き出さないでいられるもんですか。