轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
りゅうせんスパイ
流線間諜
海野 十三
「つはもの」1934(昭和9)年~1935(昭和10)年頃
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,982 字 · 70 页
彼は管の中に腹匍いになったまま、ソロリソロリと後退を始めた。そしてすこし下っては、左右上下の天井を懐中電灯で照らし注意深い観察をしては、またすこし身体を後退させていった。彼は次第次第に沈着さを取返してくるのを自覚した。すると遂に彼の予期したものにぶつかった。
「ああ、こんなところに、縦孔があった!」
縦孔! それはさっき通り過ぎたところに違いなかったのだけれども、その時は慌ててしまって、ついうかうかと通り過ぎたものらしかった。――天井に同じ位の大きさの丸い孔がポカリと開いているのを発見したのであった。
帆村はその天窓のような孔に顔を入れて、懐中電灯の光を上方に向けてみた。真黒な鉄管は煙突のようにズーッと上に抜けていた。
「こいつを登ってゆこう!」
と、咄嗟に彼は決心をした――が、どうして登るというのだ? そこは足場もない高い高い鉄管の中だった。ああ、折角の抜け道を発見しながらも、人間業では到底これを登り切ることはできないのか。いや、何事も慌ててはいけない!
「うん。――こうやってみるかナ」
彼はポンと膝を叩いた。彼の目についたのは、鉄管と鉄管との継ぎ目であった。