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りゅうこうさっかのし
流行作家の死
野村 胡堂
「新青年」1932(昭和7)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,876 字 · 28 页
「煽てちゃいけない」
「其処まで判って居るなら、なぜ恐れ乍らとやらかさないんだ、警視庁の花房一郎は、君の友人じゃないか」
「話したよ花房へ」
「ヘエ――、したら、何んと言った」
「一応理窟はあるが、所轄署の意見を覆えすほどの証拠が無い、警視庁から手を入れる為には、もう少し動きの取れぬ証拠でも無ければと――言うんだ」
「つまらない遠慮だね」
「で、僕は警察の手を借りずに、もう少し突っ込んで探して見度いと思うんだ、一つは友人の怨を晴らす為に、一つは、素晴らしい特種を一つ取る為に――」
「素敵だね」
「勇、一と肌脱いでくれるか」
「やろう、是非一と役買わしてくれ」
「よし、それで話が決った。会わせる者がある、一寸応接間へ行ってくれ」
薄暗い応接間には、十四五の少年が一人、借りて来た猫の子のように、隅っこの方に立って居りました。
「今朝の新聞を見て来たというのは君だね」
と千種、少し職業的ですが、人を外らさぬ調子で話しかけると、
「え」
少年はおどおどした調子で千種十次郎と足の勇を、二人の巨人のように見上げました。
「少しも怖がることは無い、知ってるだけの事を皆んな話してくれさえすれば」