轻松读懂日语经典作品
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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
と扉があいて入ってきたのは、大きな硝子板を抱えた中国人の硝子屋だった。
「まあびっくりした。硝子屋かい。ずいぶん前にたのんだのに、来るのが遅いねえ」
「へえへえどうも相すみません。すぐに入れかえますよ、美しいお嬢さま」
美しいお嬢さまと呼ばれて、看護婦はまあ――とうれしそうに眼を天井につりあげる。
とたんに、がしゃんと大きな音。
「きゃっ、――」
中国人の硝子屋が、硝子板のさきでもって、看護婦のそばにあった大きな花活を床の上につき落して壊してしまった。水がざあっと看護婦の白い制服にひっかかって、たいへんなことになった。
「あっ、あっ、あっ、これこのとおり、私、いくらでも弁償します。お嬢さん、ゆるしてください」
中国人の硝子屋はしきりとあやまる。
看護婦は、あまりのことに呆れて声もでないという風であったが、やがてつかつかと中国人のそばに寄ると見るまに、平手で彼の頬をぴしゃりとひっぱたいて、すたすたと部屋を出ていってしまった。
中国人の硝子屋は、怒るか泣くかするかとおもいのほか、にやと笑った。意外、流暢な日本語で、
「うふふふ、俺の頬っぺたをうったんじゃ、手の方がいたかったろう」