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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
扉をあけて入ってきたのは、さきの看護婦とリット少将の二人だった。
「なんだマリー。こればっかりの窓硝子なんか何でもないじゃないか、どんどん入替えさせるがいい。しかし硝子は丈夫な硬質硝子でないと、本艦が二十インチの主砲をどんと一発放った時は、ばらばらに粉砕してしまうからな」
川上機関大尉の眼がきらりと光った。
二十インチの主砲!
リット少将がつい不用意の言葉をもらしたのだ。杉田は英語がわからないし、硝子屋は中国人で、大したことはないと思っていたのかも知れない。
川上機関大尉は、どこで修業してきたのか、ものなれた手つきで、どんどん窓硝子の取替え作業をすすめていった。
× × ×
こっちは、危いところで英国駆逐機隊の爆弾を避けることができた潜水艦ホ型十三号の艦内であった。
艦は巧みなる潜航をつづけ、北東へずんずん脱出してゆくうち、いつしか夜はほのぼのと明け放れた。
柳下航空兵曹長は、目ざめるとともに、昨夜の死の偵察のときに、空中から飛行島を撮影した沢山な写真が、どんな風にとれているか気になってたまらなかった。
そこで彼は、服装をととのえると、すたすたと写真室の方へ歩いていった。