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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
あれは日本の軍艦だ」
「ええっ、日本の軍艦だって?」
もう金貨の賭もなんにもなかった。
班長はびっくりして、司令塔にかけこんだ。
「艦長、本艦のすぐ後に、日本の軍艦がついてまいります」
「なんだと。日本の軍艦?」
「そうです。数字は不吉の十三号です」
「そうか。さては日本の軍艦がもぐりこんでいたのか。これはたいへんだ。おい通信兵、全艦隊へ急報しろ。飛行島へはあとまわしでいい。あの怪軍艦をにがしてはならぬ」
たちまち全艦隊はひっくりかえるような騒になった。
非常警報は、ついに高く鳴りひびいた。
探照灯は、何十条としれず、シクラメン号の後方海面へ集注せられた。
飛行隊は前進行動を中止して、旋回飛行にうつった。光弾が三つ四つ五つと機上からなげ落された。
暗黒だった海面一帯は、ものの三分とたたないうちに、まるで真昼のような明るさになった。
リット少将の驚きはどうであったろう。
このとき飛行島は、警備隊とのかねての打合せにより、進路を九十度西に転じ、急速力で逃げだした。駆逐艦の一部と潜水艦の全部が、飛行島の周囲をぐるっととりまいて、守をかたくした。
「潜水艦だ。ほら、いつか現れたホ型十三号という日本海軍が誇る最新型のやつだ」