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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
られているのだった。
「少将閣下、日本の水兵が、この飛行島に入りこんでいるのを捉えてきました。ヨコハマ・ジャックなどの手柄です」
「なんだ、日本の水兵が入りこんでいたというのか。ふーむ、この男か」
リット少将は、杉田の日焼した逞しい顔をじろじろと見つめ、
「なぜ君は、飛行島に残っていたのですか」
通訳の下士官が、少将の言葉を杉田二等水兵に伝えた。
「……」
杉田はもう観念していた。囚れの身となっては一言も答えるべき必要はない。
「ほう、手ごわいのう」と少将は不機嫌になって、
「君たちの仲間はいく人いるのかね」
杉田二等水兵は、相変らず黙っている。
リット少将は、じろりと杉田の方を見てから、にわかに作笑をし、
「わしは日本にいくども行ったことがある。日本の海軍士官とも親交があるんだ。日英海軍は昔から師弟関係にある。だからわしは、君を侮辱するつもりはない。しかしここはわしの支配する飛行島だ。なにごとも正直にいってもらわねばならん。そうすることが、日英海軍のあいだに横たわっている誤解をなくすることにもなるのだ。ねえ、分かるだろう。――君はなぜ飛行島に来たのかね」
杉田二等水兵は、むっとした。