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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
ですから無限軌道の上で全速力を出せるまで準備滑走をやるのです。飛行島の外から見ているとそれまでは飛行機が甲板の同じ出発点の位置でプロペラーを廻しているように見えるでしょう。そして全速力に達したところで、無限軌道をぴたりと停めるのです。すると飛行機は猛烈な勢いでもって飛行島の上を滑走して進みます。そして全甲板を走りきるころにはうまく浮きあがるのです。どうです。これでもインチキですか」
「いや、私がインチキだといったわけではないのです。くれぐれも誤解のないように。私にはよくわかりませんから、またそれをいってやりましょう。専門家がまた何か意見をいってくるかもしれません。私としてはこの飛行島がインチキでないことを祈っています。いや、貴官を怒らしたようで恐縮です」
と、ハバノフ氏は掌をかえしたように、しきりにリット少将の機嫌をとりだしたものである。
「わかってくだされば、私はいいのです」とリット少将も言葉を和らげ、
「とにかくこの飛行島は世界にはじめて現れたものだから、誰しも性能をうたがいたくなるのは無理ありません。私としては、この飛行島が完成した上で、試運転するところを黙って見てくださいといいたい。