轻松读懂日语经典作品
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うみからきたたまご
海からきた卵
塚原 健二郎
「赤い鳥 第二十一巻第五号」赤い鳥社、1928(昭和3)年11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,534 字 · 10 页
「よし、よし。」
爺さんはにこにこして言いました。
ミル爺さんは、船が長い波の上の旅をつづけている間も、毎日のように受持の甲板の掃除をしながら、日本の港へついたときのことを考えて、胸をわくわくさせていました。爺さんの船は、印度、支那と過ぎて、やがてようようのことで日本につきました。
爺さんは、船が神戸や横浜の港に泊っている間じゅう、めずらしい日本の町々を見物するために、背の高い体を少し前こごみにして、せっせと歩き廻りました。そして大きな百貨店で、首の動く張子の虎だとか、くちばしで鉦をたたく山雀だとか、いろんなめずらしいものを買い集めて、持っていたお給金を大方つかいはたしました。
ある骨董屋の店先で、セルゲイの言ったのにそっくりの、竜のついた冑と赤い鎧をみつけ出したのは船が出帆しようとする前の日でした。
「やア、セルゲイのほしがっている鎧だ。よしよし買って行ってやろう。」
爺さんは、さっそく店に入っていって、船の中で習い出したばかりのまずい日本語でたずねました。
「これ、いくらですか。」
「百五十円です。」
骨董屋の主人は、じろりと爺さんのみすぼらしい服をみて、ぶあいそうにこたえました。