轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かいりゅう
海流
宮本 百合子
「文芸春秋」1937(昭和12)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,977 字 · 72 页
そして、先ず家内の者が自分の命令に服さなければどうして他人を従えることが出来るかという熱烈な肉親の情と焦慮とで、源太郎は家族や使用人に暴力をふるった。その前に先ず酔っぱらってから――。
それは大抵夜であったから、源太郎の暗い店の前に町とも村ともつかないその近所の連中がたかって来て、面白そうにどたんばたんの騒ぎを見物した。重吉は、そういう時自分の頬っぺたを流れ落ちた涙の味を刻みつけられている。善良な、一本気な父親に狂態を演じさせる力を憎悪した。
重吉は、考えに沈んだときの癖で頭を心持右へかしげ、ゆったり大きいあぐらの片膝をゆすっていたが、やがてあり来りの馬蹄形の文鎮をのせてあった原稿紙をひきよせて万年筆をとり、母親と悌二とへの返事をかきはじめた。
重吉には自分より気の弱い悌二が、友達どもに気をひける気持も察しられた。しかし悌二も、卑屈でなく生きてゆくためには、貧困が恥辱ではないことを知らなければならない。重吉は思いやりをこめた兄らしさで悌二の心持に元気を与え、学校をあながち無理につづける必要もないと考える彼の意見を書いた。だが、もとよりそうしたからと云って僕はその金をまわして貰うことなどは考えてもいないよ。