轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きえたミジアム
消えた霊媒女
大倉 燁子
「オール讀物 四巻一一号」文芸春秋、1934(昭和9)年11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,605 字 · 31 页
の逸話として残っているくらいで、とにかく仏門に入るということは普通の習慣になっています。私が二度目に勝田さんに会ったのは鰐寺で逢いましてから、恰度十日目の夕方でした。玄関に一人の托鉢僧が黄色い布を身に巻きつけ、素足で立って居りました。私はお布施を手に持って出るとそれが勝田さんだったので、
『まあ! 御奇特でいらっしゃいますこと!』
余り意外でしたので思わずこんな言葉が口をついて出てしまいました。すると勝田さんはちょっと面目ない、とでもいうような容子をして、照れかくしに笑いながら、
『いやどうも恐縮です。余り退屈だもんで、ついこんな悪戯を思いついたわけで――』
退屈だ。退屈だ。と云って頻りに公使館へ遊びに来てくれと云われるのですが、公使は独身だし、館員も夫人連れは一人もなしという中へ、のこのこ行かれもせずにいますと、ある日公使が主人に向って、公使館のうちは野郎ばかりなので、勝田君には刺戟が強過ぎるんだ。優しい慰めに飢ているんだから、君の奥さんには気の毒だけれど、時々話相手になってやってくれるように、君から一つ頼んでくれませんかと云われたそうで、
『では宅の方へどうぞお遊びに』