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なみだをもってせいぎをささえる
涙をもつて正義をささえる
金森 徳次郎
「第八回検察文化の会」1956(昭和31)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,332 字 · 38 页
過去二十数年前位のこと、昭和のはじめ位からしていやな空気が日本の社会秩序におこつて来たように思います。いろいろの人物が思想問題などではげしい影響を受けたと想像されます。そしてそれにはそれぞれの策源地もあつたようです。終戦後におきましてそういう勢力の盤踞する中心地点を破壊しろ、これは敗戦国の悲しさでありますが、外国からそういう指図のようなものが出まして、そしてかつて威力をふるつた中心点がきれいに破壊せられて、これを向うようの言葉で言えば「カンバツ」を廃止したのであります。「カンバツ」とは山の木を切る間伐ではなく官僚閥ということでございまするが、この廃止は相当に大きな影響をもつていると思います。従つて今日さような非難はあたらないと思いますけれども、かつて世の中に起つたことは時代を隔つれば又起り来るのである。いわば民主政治とは申しましても民主政治は良い方からみて実に立派でございますが、しかし民主政治の中にもある黒雲の入つて来る余地はございます。若干の人人が肚をすえてグルになつて活躍いたしますと、民主政治の形をかりつつ暴君政治がこの中に現われるきらいは充分にあると思うのでございます。