轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こはん
湖畔
久生 十蘭
「文藝」1937(昭和12)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,180 字 · 47 页
た。
六月十日、恤兵会の用件で小田原の知人を訪ねた帰り、急に箱根へ行ってみようと思い立って、三枚橋で腕車を傭った。
途中を急がせ、八時頃、別荘の裏手に到着し、湖畔の柴折戸から飛石伝いに母屋のほうへ行くと、庭に向いた日本座敷に皎々とランプが点されて、大勢の人声がする。
植込を透して眺めると、兼ねて見知越しの日疋という女流文士、弓削という二六新報の探訪、詩人の北村などの大一座が下司張ッた掛声をかけながら花合せをしており、喰い荒した鉢物やら徳利やら、ところも狭に置き散らしたなかに、下賤な面がまえの男女が五人ほどごろごろ寝ッ転がっている。陶はと見ると、やッつけの束髪結びにだらしなく羽織を引ッ掛け、脛を蹴出さんばかりのしどけない立膝で縁の柱に凭れ、月琴を抱えて俗曲かなにかを歌っていた。
あまりにも思いがけない光景なので、我を忘れて見ていると、狐のような面をした書生がむっくりと起きあがった。
「諸君は文芸界に掲載された二葉亭の四人共産団を読んだろうか」
というようなことをいった。傍の一人が手を振りながら、
「評論はよせ、酒が饐えらア」
とキメつけると、件の書生は肩を揺ってせせら笑い、