轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

そうせきのじんぶつ

漱石の人物

和辻 哲郎

「新潮」1950(昭和25)年12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,438 字 · 23 页

青空文庫

体や顔の太り具合が似ていたのかもしれない。かすかにほほえみを浮かべながら、無口で、静かに控えておられた。当時はまだ『道草』も書かれておらず、いわんや夫人の『漱石の思い出』などは想像もできなかったころであるから、漱石と夫人との間のいざこざなどは、全然念頭になかった。『吾輩は猫である』のなかに描かれている苦沙弥先生夫妻の間柄は、決して陰惨な印象を与えはしない。作者はむしろ苦沙弥夫人をいつくしみながら描いている。だから私は漱石夫妻の仲が悪いなどということを思ってもみなかったのである。実際またこの日の夫人は貞淑な夫人に見えた。

食事をしながら、漱石は志賀直哉君の噂をした。確かそのころ、漱石は志賀君に『朝日新聞』へ続きものを書くことを頼んだのであったが、志賀君は、気が進まなかったのだったか、あるいは取りかかってみて思うように行かなかったのだったか、とにかくそれをことわるために漱石を訪ねた。それが二、三日前の出来事であった。その時のことを漱石は話したのである。その話のなかに、「志賀君もなかなか神経質だね」という言葉のあったことを、私はぼんやり覚えている。

食事がすんでしばらくすると、ぼつぼつ若い連中が集まり始めた。