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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

アリゾナの方はどうですかね」

ジグスが声をかけた。

「や、や、ふん、ジグスか。このへんの衆はあいかわらず口が悪いのう」

博士は、ジグスの問いにはこたえず、憤慨の言葉をもらした。

「旦那。みんな口は良くないが、腹の中はみんないいんですぜ。旦那が一日も早く火星へ飛んで行けるように、みんな祈っているんですよ」

「そうとも思われないが……」

「旦那、火星への出発はいつですか。もうすぐですか」

「そんなことは、話せないよ」

「いって下さいよ。わしは仲間のやつと賭をしているんですからね」

「どんな賭だね。君はどういう方へ賭けたのかね」

「わしですかい。わしはもちろん、デニー博士は今年の十二月までに地球を出発して火星へ向かうであろうという方へ入れましたよ。今となってはとんだところへ入れたものです」

「ふふふふ。まあいいところだ」

「なんですって。もう一度いってくださらんか」

「いや、ふふふふ。賭けというものは必ず負けるものじゃと思っていればいいのだ。そうすれば思いがけない儲けがころがりこむじゃろう」

「ねえ旦那。火星探険の乗物は、何にするのですかい。ロケットかね、それとも砲弾かね」

「ふふふふ。