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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
博士だけはますます熱中して、箱車の穴の中に、そのもじゃもじゃの髭面をつきこみそうだった。
とんだ災難
やがて博士は、箱車から顔を放した。
改めて笑声が、まわりから起った。
「博士さま、お前さまは“コーヒーに追いかけられて大火傷をするぞ”といわれたでねえかよ、はははは」
「はははは。それによ、お前さまの将来は“この世界の涯まで探しても寝床一つ持てなくなるし、自分の身体を埋める墓場さえこの世界には用意されないであろう”といわれたでねえか。やれまあお気の毒なことじゃ。はははは」
「おまけによ、お前さまは“心臓を凍らせたまま五千年間立ったままでいなければならぬ。一度だって腰を下ろすことは出来ないぞ”といわれたでねえかよ。お気の毒なことじゃ。はっはっはっはっ」
笑声のおこりは、博士が牛頭仙人からお告げにあるらしい。すると博士は、コーヒーに追いかけられること、寝床も墓も持てないこと、五千年間立ちん棒をすることを告げられたのだ。
博士は人だかりをかきわけるようにして出てきた。山木も河合も、博士の顔をよく見ることができた。博士は口の中でなにかぶつぶついっていた。
「デニーの旦那。