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かやくせん
火薬船
海野 十三
「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页
ひそかに岸隊長にはなしをするつもりだったらしいが、隊長の部下がどうしてこれを見おとそうか、剣つき銃をもって、隊長の前に白刄のふすまをきずいた。
「とまれ!」
もう一歩隊長の方へよってみろ、そのときは芋ざしだぞというはげしいいきおいだ。
「あッ、危ねえ!」
かの半裸の中国人は、飛鳥のように後へとびさがったが、そのとき臨検隊の一同は、おやという表情で、その中国人のかおをみつめた。それも道理だ。その中国人が、“あッ、危ねえ!”と、きゅうにあざやかな日本語をしゃべったからである。
「やっ、貴様は何者!」
岸少尉は、相手をにらみすえた。
太々しい若者
「いや、どうも。びっくりしたとたんに、化の皮がはがれるとは、われながら大失敗でありました。はははは」
と、半裸の若者は、頭をかいてわらう。びっくりした気色はさらに見えない。見なおすと、この男、わかいながらなかなか太々しいところが見える。
だが、こっちは岸隊長以下、すこしも油断はしていなかった。中国人が、急に巻舌の東京弁でしゃべりだしたのには、ちょっとおどろいたが、わけのわからないうちに安心はしない。
「わらうのは後にしろ。