轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

つばくろ(つばくろ)

燕(つばくろ)

山本 周五郎

「オール読物」文藝春秋新社、1960(昭和35)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,395 字 · 52 页

青空文庫

ことになっているんだ」

「それを馳走しよう」と又左衛門が云った、「やはりこの舷燈や卓といっしょに頂戴したものだそうだが、密封をしたのが一瓶、うしろの穴蔵にとってあるんだ」

「しかし何十年も経つのだろう」と渡貫が云った、「そんな古いものが飲めるのかね」

「保存のしかたさえよければ、古いものほど味がよくなるそうだ」と又左衛門が答えた、「祖父はこの屋敷のうしろに、石でたたんだ穴蔵を造らせたが、それには湿気を防いだり、気温を一定に保つようなくふうがしてある、――今日の集まりに出すつもりで、じつは一と口ためしてみたのだが、私の口ではなかなかうまいと思った」

「酸っぱくはなかったか」と梶本が熱心に訊いた、「おれも京と大阪で幾たびか飲まされたが、どうも酸味が強くていけなかった」

この家の老僕と、老女のいよが、酒の壺やギヤマンの杯や、菓物の鉢を運んで来、それらを卓の上へ置き並べた。

「私には酸味は感じられなかった」と又左衛門が云った、「渋い味がよくこなれているという感じだったが、まあおのおのでためしてもらうとしよう」

「平四郎を呼ぼう」と渡貫が云った、「さっきの料理の礼も云いたいし、同じなかまだった