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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生犀星『犀星王朝小品集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:荻吹く歌、舌を噛み切った女、玉章、津の国人、野に臥す者、花桐、姫たちばな。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,794 字 · 211 页
」
基経は三基ならべて墓碑を建てることを、二人の父親にはかった。和泉の国人は翌日、和泉の国の清い土を船ではこび、船は、生田川の岸べに朝はやくに着いた。金色にかがやくような新しい山の深みから掘った処女土であった。和泉の国の父親はそれを墓土にならして、不幸な息子の墓をそこに据えていった。
「お前も橘殿のそばにねむることが出来たというものだ。基経殿、御承服くださるように。」
「懇ろになされた。」
基経は土を拝していった。
津の国の父親も、もう、なにもいわなかった。かくも深い父としての思いは、やはり人の父である彼にいまはただ深い感動をあたえたらしく、何度も、低く恥じ入ったような声音になっていった。
「よく為された。三人の若者らはいずれも兄妹のようなものに思われてならぬ。」
しの竹の垣を結んだ一囲いの墓畔は、すぐ生田川の流れを見迥かされる、高みのある松林のはずれに建てられた。川の面がかつての日の銀の粉をなすったように、日の光を反射して美しいさざ波を掻き立てていた。
基経は姫の棺に、香匳、双鶴の鏡、塗扇、硯筥一式等をおさめ、さくら襲の御衣、薄色の裳に、練色の綾の袿を揃えて入れた。