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さるこぞう

猿小僧

萠円山人

「九州日報」1920(大正9)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,635 字 · 12 页

青空文庫

四

三人の悪者が木から降りた時は、船はもう沖の方へ出ていて、只小僧の声ばかりが岸まで聞こえていた。

「馬鹿ヤーイ。態を見ろヤーイ。小便引っかけられやがったヤーイ」

四

船が向う岸に着くと、小僧は十三人を船から卸して、家はどこだと聞いて見ると、皆この国の都の貴い人々の子供ばかりで、中にも一番小さい七つになる児は天子様のお世継ぎの太子様であった。或る日、十三人は揃って川遊びに行った途中、お伴の者の船にはぐれて悪者共に捕えられたのであった。小僧はそれでは都まで送ってやろうと約束すると、皆泣いて喜んだ。それから小僧は十三人を、一番小さい太子様から順々に一列に並べて、青い壺を胸の処に掛けさせて都の方へ出発した。そして口々に次のような歌を唄わせた。

私達は都の子供

都合合せて十三人

生き肝取りにかどわかされて

手をば縛られ口ふさがれて

青い壺をば背に負わされて

歩け歩けと打ちたたかれて

野越え山越え悲しい旅路

泣いても泣いても声は出ぬ

船は帆揚げて潮越えて

砂の浜辺に座らせられて

胸を割かれてしまったならば

あとに残るは只生き肝と

肝を封じた青い壺

不思議の生命を助かって

都へ帰る十三人

生命の代りに首からかけた